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タマネギの話

タマネギは日常野菜として、お料理に欠かせないもの。

よく使う野菜なのに、品種の多さもさながら、案外タマネギのことを知っているようで知らないことが多いですよね

 
1)
クイズです

さて、前回で第2弾のヤーコンも終わり、今回から第3弾。

いつもならここで、テーマが決まっているんですが、 今回は、クイズにしてみましょう。

ジャガイモのときのように、第三弾もとっても身近な野菜なので、長編シリーズになることでしょう。

みなさんがよく目にしたり触れたりする、そう、あの野菜さん。

ヒントは以下の5つ! みなさんはわかりますか?

1.国内の主産地は、私の住む北海道が一番。  

半分以上が北海道で収穫されています。

以下は、佐賀県、兵庫県と産地が続きます。

2.食べる部分は葉っぱなんです。

3.色は、黄、白、赤が基本かしら?

4.エジプトにあるピラミッドが作られる時には、労働者の栄養源となっていたパワフル野菜!

5.この野菜にちなんだ愛称がついた芸能人がいらっしゃいます。

正解は次回のコラムで。

次回から、そんな野菜さんのヒミツにあらためて触れてみましょう。

 
INDEX
クイズです
さて正解は・・・
素性のヒミツ
旅路のヒミツその1
旅路のヒミツその2
旅路のヒミツその3
旅路のヒミツその4 
成分のヒミツその1
成分のヒミツその2
10 成分のヒミツその3
11 成分のヒミツその4
12 成分のヒミツその5
13 成分のヒミツその6
こんなところにもタマネギ
15 生育のヒミツ
16 スラリとした苗
17 食べているのはどこ?
18 ふしぎな葉っぱ
19 葉っぱの枚数
20 タマネギの寿命
寝た子を起こさないように
 
2)
さて、正解は・・・

さて、前回のクイズから始まる今回の野菜・・・。

正解は・・・、とある芸能人の愛称からひも解いてみましょう。

前回のクイズの5つ目のヒント

「この野菜にちなんだ愛称がついた芸能人がいらっしゃいます」の芸能人とは、 徹子の部屋で有名な「黒柳徹子」さんです。

1978年〜1989年まで人気歌番組「ザ・ベストテン」の司会をされていた黒柳徹子さん。

相方の司会者は何名かいらっしゃいましたが、久米宏さんが相方だったときに「タマネギおばさん」と呼ばれ、それからその愛称が定着したようです。

その特徴的な髪型は「タマネギ」を連想させるには充分ですよね。

徹子の部屋ならぬ、徹子のヘアが、タマネギだったわけです。

というわけで、クイズの答え(=今回のテーマ野菜)は、「タマネギ」です。

さて、このタマネギと頭のつながり・・・黒柳さんだけではないんです。

我が国にタマネギが伝わった明治時代、「ヲニオン」や「葱頭」と書物に記されています。

タマネギは日本で古来からあった根深葱に対して、その白根部が頭状(球状)になるところから「頭葱(アタマネギ)」とされていたそうです。

ところがいつの間にか漢字が逆転し、「葱頭」となり、終戦頃の昭和20年までは、「葱頭」が標準和名とされていたそうです。

さらに、タマネギの学名「Allium cepa L.」のcepaは、ケルト語の「頭」からきているといわれています。

タマネギと頭の関係は、黒柳徹子さんだけでなく、タマネギの歴史とともにあったんですね。

今回は、タマネギと頭のヒミツに迫ってみました。

さて、次回からは、こんなタマネギさんの素性のヒミツにせまってみましょう。

 
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3)
素性のヒミツ

イラの防腐効果にも使われていたタマネギ。
この防腐剤の効果が、新大陸にわたっても発揮される時が来ました。
原産地からヨーロッパを経由して、新大陸に渡った後の話です。


アメリカで南北戦争が行われていた当時のこと。
後にアメリカ合衆国第18代大統領となるグラント将軍の逸話にこんな話が・・・。
北軍の総司令部に対して、
「軍隊を動かすためにはタマネギを至急送るように。そうしなければ軍隊を動かせない。」
と、タマネギの要求と軍隊の出動を天秤にかけたとのこと。

防腐剤として使われるタマネギは、負傷した軍人たちのために消毒剤として使用されていたのです。
もちろん、タマネギは精力剤としての効果も期待されるのですが、
ここで注目したいのは、涙を流すほどの刺激成分。アリシン。

タマネギはそのままでは刺激がないのにもかかわらず、
生のものを刻むと涙が出てしまいますよね。

タマネギの中には、アリインという成分とアリイナーゼという酵素が存在しています。
生育中のタマネギにはそれぞれ個別に内在しているのですが、
タマネギ自身が傷つくと、これらが混じり合い反応してアリシンになり
強い刺激成分があらわれてきます。
タマネギも外敵にかじられたときに刺激成分を作成し追い払ったり、
傷が付くなどで病原菌に侵されそうになる前に、傷口をタマネギ自身の成分で消毒するんですね。

通常は別々の状態で内在し、外的に悪い条件が起こったときにだけ、防御反応があらわれる。
とっても賢い仕組みだと思います。

そんな反応を利用して、昔から防腐/殺菌効果にタマネギを利用してきたんですね。
タマネギを切ったときにだけ涙が出るにも、しっかりと訳があったんです。
(タマネギと涙の関係についても、また別のコラムで・・・。)

さて、次回はそんなタマネギがいよいよ日本に伝来してくる、次なる旅路のヒミツです。

 
 
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4)
旅路のヒミツその1

今回はタマネギの歩んだ旅路のヒミツ その1です。

原産地が中央アジアのタマネギ。

その後、タマネギは西に西にと広がっていきました。

東に行こうとしたものの、温暖湿潤な気候条件ではうまく球にならなかったり、腐りやすかったりと、タマネギがうまく育たなかったのが原因なのか、東の方面には一般的なネギが広まっていきました。

日本に入ってきたのも、ネギは昔の時期だったのですがタマネギが入ってくる時期まではしばらく待たなくてはいけませんでした。

そして西方面に伝わったタマネギは、辛いタマネギと甘いタマネギに分化し、か辛いものは北ヨーロッパへ、甘いものは南ヨーロッパへと2つに別れて伝わっていきます。

タマネギが食べられた時期は人類史上古くから見られ、エジプトのピラミッドが作られていた時代には、もう食べられていた記録があります。

栄養源たっぷりのタマネギは過酷な労働を強いられたピラミッド作りの作業者にも重用されていたようですし、タマネギの成分が持つ防腐効果もミイラ作りに使われていたようですね。

紀元前3000年ごろの古代エジプトの壁画にも、タマネギが登場していたりするんです。

人類の古代文明をタマネギが支えていたなんて、
パワフルな野菜ですよね。タマネギさん。

さて、次回はそんなタマネギの防腐効果と、次なる旅路のヒミツです。

 
 
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5)
旅路のヒミツその2

今回はタマネギの歩んだ旅路のヒミツ その2です。

ミイラの防腐効果にも使われていたタマネギ。

この防腐剤の効果が、新大陸にわたっても発揮される時が来ました。
原産地からヨーロッパを経由して、新大陸に渡った後の話です。

アメリカで南北戦争が行われていた当時のこと。

後にアメリカ合衆国第18代大統領となるグラント将軍の逸話にこんな話が・・・。


北軍の総司令部に対して、
「軍隊を動かすためにはタマネギを至急送るように。そうしなければ軍隊を動かせない。」と、タマネギの要求と軍隊の出動を天秤にかけたとのこと。


防腐剤として使われるタマネギは、負傷した軍人たちのために消毒剤として使用されていたのです。


もちろん、タマネギは精力剤としての効果も期待されるのですが、ここで注目したいのは、涙を流すほどの刺激成分。アリシン。

タマネギはそのままでは刺激がないのにもかかわらず、生のものを刻むと涙が出てしまいますよね。

タマネギの中には、アリインという成分とアリイナーゼという酵素が存在しています。

生育中のタマネギにはそれぞれ個別に内在しているのですが、タマネギ自身が傷つくと、これらが混じり合い反応してアリシンになり、強い刺激成分があらわれてきます。

タマネギも、

外敵にかじられたときに刺激成分を作成し追い払ったり、

傷が付くなどで病原菌に侵されそうになる前に、

傷口をタマネギ自身の成分で消毒するんですね。

「通常は別々の状態で内在し、外的に悪い条件が起こったときにだけ、

防御反応があらわれる」

とっても賢い仕組みだと思います。

そんな反応を利用して、昔から防腐/殺菌効果にタマネギを利用してきたんですね。

タマネギを切ったときにだけ涙が出るにも、しっかりと訳があったんです。
(タマネギと涙の関係についても、また別のコラムで・・・。)

さて、次回はそんなタマネギがいよいよ日本に伝来してくる、次なる旅路のヒミツです。

 
 
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6)
旅路のヒミツその3

今回はタマネギの歩んだ旅路のヒミツ その3です。

世界の各地を旅しながら、日本にもタマネギが伝来してきます。
今回は日本への伝来と、栽培された基本種となった3つのタマネギに触れてみます。

まず、タマネギが日本にやってきたのは、1871年頃に北海道に入ってきたのが最初とされています。
このときの品種はイエロー・グローブ・ダンバース。
これが後に味の方舟(別名:食の世界遺産)にも登録される、札幌黄となっていきます。
イエロー・グローブ・ダンバースに、ブライアム・イエロー・グローブやプライズ・テーカーなど、
多品種の遺伝子を混じりながら札幌を中心に地元で育成・採種された札幌黄は、
今はやりのF1品種と異なり、それぞれに特徴を持った分化をして現代に残されてきました。
代々と育種・種取りをされた農家さんが、自分の好みの品種を選抜したことから、
札幌黄は、坂野系、阿部系、黒川系、高木系、河島系、などと農家さんの名前で呼ばれていたりします。
タマネギさんたちにも私たちと同じ個性があったりするんですね。

次にやってきたのが、1884年頃にイエロー・ダンバースが大阪へ。
北海道では春播き栽培がおこなわれたタマネギでしたが、
大阪の泉南地方に導入されたこの品種は、秋播きで成功した最初の品種になります。
今でこそ大阪のタマネギ産地は兵庫県淡路島へ移っていきましたが、
この大阪で土着した品種は、泉州黄と呼ばれ、のちの秋播きタマネギの90%がこの系統のタマネギになりました。

そして3つ目が、白色の早生品種、ブラン・アチーフ・ド・パリ。
こちらは北海道でも栽培が試みられたんですが、栽培に成功することなく、
その後明治後期に、愛知県知多半島で栽培がはじめられました。
この早生タイプのタマネギは、愛知白となり、現代へ続いています。
一度失敗した早生の白タマネギですが、北海道では近年、この愛知白の系統も栽培に成功し始めてきました。


これらの3品種の系統がさまざまな品種改良とともに現在のタマネギの品種へ引き継がれてきているんです。

さて、次回は旅路のヒミツの最終回、日本への伝来その後、です。

 
 
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7)
旅路のヒミツその4

今回はタマネギの歩んだ旅路のヒミツ その4です。

いよいよ日本にも伝来してきたタマネギ。
導入品種として期待され北海道と大阪で栽培に成功したにも関わらず、
その後の消費は一向に進みません。
今でこそ、和・洋・中と、多用途で調理されるタマネギですが、
一般家庭ではどうやって調理してよいかわからないでいました。
その上、日本ではもともと「葱」類が使用されていたため、
タマネギはなかなか広まらずにいたのです。
消費されないから流通しないということで、
西洋で修行した調理人は日本に戻っても
タマネギの代用をネギ(長ネギ)で行っていたようです。

タマネギの生産者たちは、東京まで販売に出かけ、必死にビラ配りも行ったようです。
それでもタマネギの消費量はなかなか増えませんでした。
そんな明治時代、ちょっとしたきっかけで、タマネギは一気に大流行することになるのです。

そのきっかけとは、伝染病の「コレラ」。
コレラが流行していたときに、なぜか「コレラにはタマネギが特効薬である」という
デマが広がったんです。
これをきっかけに、都会の消費者たちは一気にタマネギの消費量を増やしました。
もともと長ネギに親しんでいた日本人は、タマネギを食べることにもすんなりと入っていけたようです。
ましてやタマネギは長ネギに比べて抜群の貯蔵性を誇ります。
国内の消費量は増えていきました。

さらに明治28年の日清戦争終結後、タマネギにとっても海外市場が開けます。
そして栽培面積も徐々に広がっていったのです。

古代から利用されていたほど栄養価も高く、貯蔵性にも優れ腐りにくいタマネギは、
第二次世界大戦時には、軍用品として統制がとられる作物にもなっていきました。

そして現代。
日本の野菜の中では、ジャガイモ、大根、キャベツに次いで、
タマネギは第4位の生産量を誇る野菜になりました。

オニオンフライやオニオンサラダのタマネギ料理はもちろんですが、
スープやドレッシングなど隠し味にも利用されるタマネギ・・・。
何かしらのタマネギが皆さんの食卓にもあらわれているのではないでしょうか。

栄養価たっぷりのタマネギさん。
毎日の皆さんの栄養源ですね。

さて、次回はそんなタマネギの栄養成分のヒミツに迫ってみましょう。

 
 
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8)
成分のヒミツその1

今回からタマネギ栄養成分のヒミツです。
まずはその1としてアリインから。

何度もコラムで触れましたが、
アリイン+アリイナーゼ=アリシン
となります。

タマネギに含まれる代表的な硫化アリル類・アリインは無臭です。

タマネギを刻んだときに、アリインが空気に触れ、さらにアリイナーゼにより
アリシンに変化すると、殺菌や駆虫効果のある、強烈な刺激物質となります。
タマネギを切ると涙が出るのも、このアリシンの影響なんですね。

今回はこのアリシンと涙のヒミツについて触れてみます。

タマネギを切ったときにどうしても涙が出てしまうということで
いろんな対策をされている方がいると思います。

眼鏡をかけて作業をするといいとか、ゴーグルをかけると効果があるとかよく聞きますが、
実はあまり効果が期待できません。

というのも、このアリシン、とても揮発しやすく、水に溶けやすいという特徴を持っています。

タマネギを切って発生するアリシンは空気中に細かい粒子として広がり、
ちょっとした隙間でも漂ってしまい、眼に入ってきてしまうんです。

タマネギを切ったときに涙を流さないためには、
このアリシンの特徴を考えて対策を取ると効果があります。

具体的には・・・

1.アリシンを発生させない方法
 1-1.よく切れる包丁を使用する。
  →タマネギに傷をつけるとアリインとアリナーゼがよく反応します。
   ということは、よく切れる包丁だと発生量が抑えられます。
   反対にすりおろしたりすると大量のアリシンが発生します。
   栄養価を考えるとアリシンを多くする方が良いんですけどね。
 1-2.タマネギを切らずに調理してしまう。
  →ペコロスなどを使用することで、タマネギを切らずに調理できます。
 1-3.先に加熱する。
  →先に成分変性してしまうことで、アリシンが発生しなくなります。
 1-4.繊維に沿って切断する。
  →気休め程度ですが、細胞をよりつぶさないことから、アリシンの発生量は少なくなります。

2.アリシンを揮発させない方法
 2-1.水に溶かしてしまう。
  →水につけたまま切ったり、切った先から水につけることで、
   アリシンが揮発しません。
   ただし、アリシンが水に溶けてしまうので、当然栄養分も溶けだしているということになり、
   お勧めはできません。
   サラダとして生食するときに水にさらしますが、
   辛タマネギを利用するのではなく、生食には甘タマネギを利用して、
   水にさらすことのないまま利用したいですね。
 2-2.揮発させないまま調理する。
  →アリシンはとても揮発性の高い成分で、温度が高いとより揮発しやすくなります。
   ということは低い温度のままだと揮発しにくいんです。
   タマネギを切る前に冷蔵庫などで十分に冷やしておくと、
   タマネギを切ったときにアリシンが発生しても揮発しにくくなります。
   この方法だと栄養価の損失も少ないため、もっともお勧めの方法です。
   タマネギを切ったときに涙でお困りの方、
   調理の前にタマネギを冷やしておいてから調理してみてくださいね。
 2-3.切断面を濡らして調理する。
  →切断する包丁を濡らしてみたり、タマネギを濡らしておくと、
   アリシンの揮発時に水に溶けてくれたりします。
   冷やすこととあわせて利用してみてください。
   (包丁自体も冷水で冷やしておくと効果が期待できます。)

お勧めの対策は、タマネギは冷蔵庫で、包丁は冷水で冷やしておくということでしょうか。


さて、次回からもそんなタマネギの栄養成分のヒミツに迫ります。

 
 
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9)
成分のヒミツその2

今回もタマネギ栄養成分のヒミツです。
その2は、お肉が大好きなアリシンです。

さて、アリインから生成されたアリシンですが、
とってもお肉と仲良しです。

特に豚肉などに含まれているビタミンB1と結合しやすく、
アリシン+ビタミンB1=アリナミンとなります。
よくCMで流れていた栄養ドリンクの成分ですね。

揮発しやすいアリシンもビタミンB1と結合することで安定した成分となり、
私たちにとっても消化吸収しやすいかたちとなります。
ビタミンB1は、炭水化物の分解や筋肉への神経伝達の手助けをするビタミンで、
不足すると疲労感や精力減退などの影響が出てきます。
ぜひタマネギをビタミンB1を含む成分と一緒に摂取して、
元気いっぱいになりたいですね。

またアリシンを中心とした硫化アリル類は、胃の消化液の分泌促進するなど
食欲増強効果があります。
ただ一つの問題点は、独特のネギ臭。
オニオンスライスなどタマネギを生で食べた場合に、
お口の中にもあとあとまで臭いが残りますよね?
歯を磨いたところでなかなか臭いはとれません。
これは、この硫化アリル類がお肉大好きなためなんです。

硫化アリルはタンパク質が大好きで、臭いがタンパク質と結合しやすいのです。
タマネギを生で食べるなどすると、
口の中の粘膜部分のたんぱく質にこのにおい成分が付着してしまい、
歯を磨いても臭いがとれなくなってしまうのです。
思わぬところで、口内化学反応が起きてしまっているのです。

私も、親元を離れて自分で調理をし始めたとき、
タマネギをみじん切りなどに刻んだあとで
指先にタマネギの香りが残っていたりすることに気付きました。
手を洗ってもなかなか取れないこの香り・・・どこか懐かしいものだったんです。
幼少時に看病してくれた母の手のにおいと同じにおいがしたんですよね。
タマネギを刻んだ私の手が、よく料理をしていた母の手のにおいだったんですね。

お肉大好きなタマネギさん、
思わぬところで、私にちょっとした思い出をよみがえらせてくれる
香りだったりもしたんです。

タマネギが肉料理によくあわせられるのは、
栄養成分や香りがお肉の栄養成分と結びつきやすい、
そんな相性があるからなんでしょうね。


さて、次回もそんなタマネギの栄養成分のヒミツが続きます。

 
 
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10)
成分のヒミツその3

タマネギ栄養成分のヒミツ その3。
今回は、タマネギの甘みのヒミツです。

生で食べると「カラ〜イ!」イメージのあるタマネギですが、
辛く感じるのは、何度か出てきた硫化アリルの成分のため。
甘いタマネギは当然腐りやすかったりするんですが、
それを防いでいるのが辛い成分なんです。
実は普通のタマネギでも糖度が7〜8%くらい、作り方によっては倍の16%くらいまでも糖度がいっぱいという甘い野菜でもあるのです。

また、タマネギにはヤーコンのときにも触れた
身体に優しい甘み成分「フラクトオリゴ糖」も含まれています。

糖度も高く、フラクトオリゴ糖も含み、とても甘みの多いタマネギなんですが、
調理方法によって、さらに甘くおいしさが引き立ちます。

生で食べるタマネギがあんなに辛いのに、
カレーや肉じゃがなど、加熱料理で食べるタマネギって、甘いと思うことがありませんか?

加熱したタマネギが甘い理由は二つあります。

まずは硫化アリル類の辛み成分が変化し辛味を感じなくなります。
これによりタマネギの甘みだけを感じるようになるんです。

次にこの硫化アリル類は加熱変性により、「プロピルメルカプタン」という
甘みを感じる物質に変化します。

「みじん切りにしたタマネギをゆっくりときつね色や透明になるまで炒める」
という調理方法は、アリシンをいっぱい発生させ、その後プロピルメルカプタンに変わり、
たっぷりと甘みを感じるようになる調理方法でもあったんですね。

秋に収穫される、北海道の辛いタマネギが、加熱調理のときにはより甘くなったりするんです。
辛い黄タマネギでも皮ごと丸焼きしてしっかり火を通すと、驚くほど甘くなったりもします。

生で食べるときには、愛知白などの白タマネギを。
加熱して食べるときには、北海道産の黄タマネギを。
そんな調理法別にタマネギも使い分けていきたいですね。

さて、次回もそんなタマネギの栄養成分のヒミツが続きます。

 
 
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11)
成分のヒミツその4

タマネギ栄養成分のヒミツ その4。
今回は、放置すると増える栄養成分です。

タマネギの栄養成分に、一般には聞きなれない、
スルフィド類、セパエン類というものがあります。

これらはアリインなどと同じく、硫黄化合物のアミノ酸から作られます。
タマネギを切ると、タマネギの細胞中に含まれる、CSリアーゼなどの酵素が働き始め、
辛味成分や催涙成分が作成され始めていくのですが、
そのまま分解が進むと、さらにいろんな栄養成分が生成されていきます。

その中でもスルフィド類やセパエン類が、私たちの身体にとって
とってもありがたい効能を有して生まれてくれるのです。

これらは、
・コレステロールや中性脂肪の低下作用
・血糖値の上昇抑制作用
・たんぱく質の糖化抑制作用
・動脈硬化の予防をする効果
などが確認されている成分で、タマネギが健康野菜と言われる成分を生み出すのです。

では、これらの栄養素はどうやって調理して食べると効果があるのでしょうか?

これらの成分は、刻んだ後に「放置しておく」のが必要なんです。
タマネギ中の酵素の働きは、室温である程度の時間が必要です。

刻んだタマネギをそのまま放置し続けて、30分〜1時間・・・
栄養たっぷりのタマネギさんが出来上がります。

一度、タマネギの食べ比べをした時に、すりおろしたタマネギをしばらく放置して
食べたことがあるんですが、
この栄養成分いっぱいのタマネギ・・・
生で食べるととんでもなく辛いんです。
栄養成分こそ増えますが、辛み、苦味、痛み、といった感覚がでますので、
食べるときには気をつけてくださいね。

さて、この栄養成分たちを摂取するときに注意点がひとつ・・・。
これらの栄養成分は水にとっても溶けやすいんです。

オニオンスライスを辛みをとるために水にさらしたりしますが、
栄養成分はほとんど水に溶けだしてしまいます。
水にさらさずに調理することをこころがけてください。
スープなどで煮込み料理にするときなどはスープ中にこそ栄養成分が溶け出しています。
タマネギだけでなく、溶けだした栄養素もしっかりと摂取したいところですね。

さて、次回もタマネギの栄養成分のヒミツが続きます。

 
 
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12)
成分のヒミツその5

タマネギ栄養成分のヒミツ その5。
血液サラサラで、色気も増える!?

今回は、タマネギに含まれ、最近よく耳にする「血液サラサラ効果」に迫ります。

タマネギに含まれる、血液サラサラ効果成分は「ケルセチン」。

別名としてビタミンPとして呼ばれることもあるこの成分。
・ビタミンCの吸収を助ける
・脂肪吸収を抑制
・抗酸化/抗ガン作用
などの効果も期待されるうえに、
アレルゲンに対する反応を緩やかにしてくれる効果が認められ、
抗ヒスタミン剤として使用されていたりもします。

通常、ケルセチンは配糖体といった形で食品中に存在していることが多く、
ソバの血液サラサラ成分で有名なルチンも、このケルセチンの配糖体
だったりします。

ただこのケルセチン、タマネギの中で一番どこに多く含まれているか
ご存知ですか?
実は、(辛い系の)黄タマネギの皮に一番多く含まれていたりします。

そもそもタマネギの皮は、染色に使われたりするのですが、
この染色されている成分こそがケルセチン!
羊毛の染色などに利用するときれいに染め上がりますが、
食べるときにはほとんど捨てられてしまっているんですね。

ところが、そんなケルセチンをタマネギの皮からタマネギの可食部分に
増やしたタマネギが現れました。
北海道の(タマネギ産地である)オニオンベルトのひとつ、
栗山町でつくられた「月交22号」。
つけられたその名前は「さらさらレッド」です。
一般のタマネギの1.5〜3倍も多く含まれるケルセチン。
さらさらレッドなら、皮をむいてもケルセチンが摂取できやすいんですね。

さらにはこのさらさらレッドを使って、「Dr.Onion」なるジュースまで
作られちゃいました。

ケルセチンを摂取して、身体の外側のものだけではなく、
身体の内側もきれいにして、色気を増やしてみたいですよね。
血液サラサラは若さの秘訣でもあると思います。

さて、次回でタマネギの栄養成分のヒミツが区切りになります。

 
 
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13)
成分のヒミツその6

タマネギ栄養成分のヒミツ その6。
今回は「薬だったタマネギ」です。

栄養成分の紹介を通してタマネギさんのいろんな効果を見てきました。

日本に伝わってきた時期は遅い野菜ですが、
タマネギはその歴史の中で世界中で医食同源の野菜となり、
各地の記録にタマネギの利用してきたようすが残されてきています。

以前のコラムで、エジプトでのミイラの防腐効果や、
アメリカ南北戦争での消毒薬として使用されていたことにも触れてきました。

さらに、タマネギの持つそのパワーから、
旧約聖書では精力剤として・・・
古代インドのカーマストラでは媚薬として・・・
千一夜物語でも精力剤として・・・
と、ちょっとムフフな用途にも使われてきたようです。

ヨーロッパでペストが流行した時にも予防効果があると注目され、
さらに日本でコレラが広まったときには特効薬だというデマまで流れてしまいました。

タマネギの持つさまざまな栄養成分が、いろんな効果を引き出してくれそうです。

健康は食べ物から。

あなたも家庭の常備薬としてタマネギさんを活用してみてくださいね。

そんなタマネギさんはいろんなところで食べられています。
さて、次回は「こんなところにもタマネギ」です。

 
 
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14)
こんなところにもタマネギ

今回は、「こんなところにもタマネギ」です。

保存性の良さと使い勝手の良さから、いろんなところで使われている野菜・タマネギ。

牛丼の具や、ハンバーガーにはさまれてみたり、肉まんの具になったりと、
ちょっとした外食シーンでも知らないうちに登場しています。

もちろん、肉じゃがやカレー、シチューなど、
家庭での煮込み料理にも欠かせないタマネギです。

オニオンスープやドレッシングにも使われていますが、
私の住む北海道では、タマネギをラーメンにねりこんでみたりもしています。

味の良さにもかかわらず、規格に合わせた栽培の難しさから
そのもの自身が幻となってきていた「札幌黄」、
そしてその後継種となった「さつおう」を用いて麺にねりこんだ、
ラーメンなども発売されています。

さらに変わったところでは、カクテルなんかにも使用されたりしています。
アメリカで活躍したイラストレーター、
チャールズ・ダナ・ギブソンから名前がとられた「ギブソン」。
ジンをベースにベルモットで香りをつけ、「パール・オニオンの酢漬け」が飾られたカクテルです。

ちょっと大人なシーンでもタマネギさんに会えたりするんですね。

毎日の食生活のどこかでタマネギさんに出会っていると思います。
明日の食事は意識的にタマネギを探してみるのもいかがでしょうか。

さて、続いてタマネギの生育のヒミツに移りたいところですが、
タマネギがながーく続いているので、いったん他の作物に話題を変えます。

タマネギさんとは、また改めて再会できるのを楽しみにしていてください。

次回からは、オシッコのヒミツを皮切りに、「ある作物」に迫ります。

 
 
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15)
生育のヒミツ

さて、今回から、中断していたタマネギに戻り
タマネギの生育のヒミツに戻ります。

再会1回目は、タマネギの生育のヒミツ1 「愛情にくるまれた種」です。

さて、改めてタマネギさんについてあらわしてみると、
ユリ科ネギ属に分類される、単子葉類の野菜、ということになります。

小さな種から、とっても細い一本の芽が出てくるのがタマネギなんですが、
発芽初期はとっても弱い存在なんです。

他の雑草があると、「どれがタマネギかわからない」といった状態のため、
育苗するには大変な苦労がありました。
また、種はとっても小さな粒のため、一粒ずつ播くにはとっても苦労することになります。

札幌黄を代々と育種して毎年種採りをし、その種を播いて立派な苗をつくる苦労は
並大抵のものではなかったこと、想像に難くありません。

ましてや広大な土地のある北海道で、大々的にタマネギを育てようとすると、
ちょっとした種を播くのにも一苦労です。

今では大部分が機械化されたタマネギの育て方ですが、
そこに大きく貢献したのが、冒頭の写真で見える「種のコーティング技術」です。

手前に見える黒い粒がタマネギの種になりますが、
これを粘土でくるみ、丸い粒状にしたものが、現在使われている種になっています。

粘土でくるまれた種は一定の大きさのためとても扱いやすく、
ポット育苗されるときも、一粒ずつ播きやすくなっています。
播かれた種は、水をかけると粘土部分に水がしみこみ発芽を促すことになります。

この種をコーティングする技術は、
種が小さかったり、機械化されている作物には
よく見かけられるようになっているんですよ。

裸であったタマネギの種も、粘土の愛情で丸く包まれて、
育てる農家さんのちょっとした苦労を緩和してくれているんですね。

あなたのお口に入るタマネギは、
種の段階から愛情にくるまれて育っているのではないでしょうか?

次回は、種から育った後の苗のヒミツにせまりたいと思います。
お楽しみに〜?

 
 
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16)
スラリとした苗

今回は、タマネギの生育のヒミツ2 「スラリとした苗」です。

前回ご覧いただいた小さな種は、単子葉類の植物らしく、
発芽後に、とっても細い糸のような芽を出してきます。

とっても折れ曲がりやすく細い子葉は、雑草なんかがあるとすぐに隠れちゃいそうなくらい。

直接畑に種を播いていた状態では、雑草取りも大変で、苗の感覚も調整しにくく大変な作物なんですね。

今ではほとんどが育苗トレーの中にコーティングされた種を播いて、
そのトレーの中で、大事に育苗されて育てられるタマネギさんです。

この細い子葉も、これまた細いその後に出てくる本葉が3本くらいになったときには、根もいっぱい出せるだけの元気さを持っていて、
その本葉3枚(3本?)の状態で畑に定植されることになるんです。

このころのタマネギは、まさに見た目は万能ねぎなどの青ネギそのものに見えるんですよ。

この苗は本当に元気いっぱいで、
畑に定植後にしなっとなっても、その後一生懸命発根して大地に根づき、
タマネギになるための準備を始めます。

ちなみに北海道では5月頃にその定植の光景が見られるんですが、
一部の育苗した苗は余ることになるんです。
その苗、実はネギの代わりに食べられるんですよ。

タマネギの産地にいて、さらにその時期にしか食べられない、タマネギの苗。
結構美味だったりするんです。

機会があれば、ぜひ食べてみてくださいね。

さて、次回は、タマネギってどこを食べてるのか、そのヒミツにせまりましょう。

 
 
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17)
食べているのはどこ?

今回は、タマネギの生育のヒミツ3 「食べているのはどこ?」です。

前回、育苗したタマネギを苗のまま食べられることに触れました。
この時食べているのは、タマネギの葉っぱの部分になります。

さて、このタマネギ、普段食べている、丸く大きく太った部分は、
植物のどこの部分を食べているのでしょう。

ちなみに、葉タマネギとして、まだ上の青い部分があるときに、食べるのは葉っぱの部分ですね。

実は、タマネギの食べているその部分も、葉っぱなんです。

タマネギが上の青い部分の葉っぱをどんどんと大きくして育ってくると、
栄養分を葉っぱの下の方に貯めようとして、葉の付け根部分を太らせてくるんです。

この太る部分は根でも茎でもなく、葉っぱだったんですね。
太陽の光をいっぱい浴びて作り上げた栄養分はどんどんと葉の根元にたまり、
次の年にさらに成長できるようにエネルギーを蓄えていきます。

買ったタマネギも、そのまま置いておくと下の方から根が出てきますが、
これは、葉にたまった栄養分が使われています。

では、タマネギの茎はどこにあるんでしょう?

タマネギの根が出てくる部分のところに、ほんの少し、白い塊の部分があります。
タマネギの茎はこの部分。

ほんの少しの茎の部分から、根を出して、大きくなるタマネギの葉を出してと、
タマネギの茎は、小さな縁の下の力持ちのようですね。

さて、次回は、タマネギの可食部分、葉っぱのヒミツにせまります。?

 
 
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18)
ふしぎな葉っぱ

今回は、タマネギの生育のヒミツ4 「不思議な葉っぱ」です。

タマネギの可食部分は葉っぱだということに触れましたが、
タマネギの葉っぱには、下の方を太らせてエネルギーを貯める他に、
変わったヒミツがまだあるのです。

ふつうの植物の葉には、表と裏があり、表の面で太陽の光を浴びて
光合成をおこない、美味しさのもとになるエネルギーをつくります。

タマネギは、他の植物と違い、葉の部分は変わったかたちをしていませんか?

ネギにも共通しますが、タマネギの葉は筒状になって、たくさん分かれて伸びています。
筒状になっているだけでも変わっていると思いますが、
このタマネギの葉っぱ、その裏表にもヒミツがあるんです。

実はタマネギに葉っぱ、目に見える筒の外側が葉の裏側になり、筒の内側部分が葉の表になるんです。

植物の葉が茎から生えてくるときに、茎に接している部分(内側)が表側になり、
最初から外側になっている部分が裏になっていくことを考えてみてください。

内側が表、外側が裏になる仕組みがわかるでしょうか?

タマネギの場合は、葉が出てくるときに一枚ものにならず、そのまま筒状で生えてきますが、本来表側になるべき内側が丸く筒になっているため、表が内側にあるままになるんです。

植物学的にも、表側には導管(根から吸い上げた水を通す管)が、
裏側には、し管が(栄養分を通す管)ができるのですが、
タマネギもこの法則にあてはめると、筒状の内側が表になるんです。

育っているときにはいつも裏側ばかりをみんなに見られているタマネギさん。
いつも恥ずかしがっているのかもしれませんね。

次回も引き続き、葉っぱのヒミツです。

 
 
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19)
葉っぱの枚数

今回は、タマネギの生育のヒミツ5 「葉っぱの枚数」です。

葉っぱの裏側を外側に見せながら成長しているタマネギの葉っぱ。
筒状に成長しながら、その根元の部分を膨らませて栄養を貯めこみます。

この膨らんでいる、私たちが食べているタマネギそのものの部分、
鱗のように何枚も重なっている葉っぱということで、
鱗葉(りんよう)といいます。

このりん葉が重なっている様子から、英名のオニオン(Onion)も名づけられています。
英語のはOnionは、Unionと同じ語源で、「ひとつにまとまった」という意味のラテン語「Unio」から
来ています。
何枚もの葉っぱが重なり合ってひとつになっていることが、語源だったんですね。

ではこの葉っぱ、おおよそ何枚くらいからなっているのでしょうか?
興味のある方は、タマネギの表面のうす皮からひとつずつはがして行ってみてください。
タマネギのりん葉の一つ一つが、その上の筒状の葉っぱの部分と同じだけ存在しています。
大体のタマネギは、葉っぱが6〜12枚くらいで、おおよそ8枚ほどから成り立っています。

種が発芽した後細い子葉が出て、その後本葉が3枚ほどで定植されたタマネギさんですが、
8枚以上の太い筒状の葉っぱが出た後に、上部が倒れて枯れてタマネギが残ります。

タマネギはとても病気や虫に弱く育てにくいタマネギなので、
一般的なタマネギは、その葉が一枚一枚出るごとに、葉っぱの数だけ農薬をかけて
育てられることが多いです。

もし、無農薬や減農薬で育てられるタマネギに出会えるとしたら、
その葉っぱの一枚一枚を元気に育て上げるという、いろんな愛情が注がれて
育てられているタマネギさんだと思います。

タマネギのりん葉の一枚一枚の重なりにふれるたびに、
その枚数分の愛情が注がれてタマネギがそだっていることを思い浮かべながら、
タマネギを食べてみてくださいね。


次回は、タマネギの寿命のヒミツにせまります。

 
 
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20)
タマネギの寿命

今回は、タマネギの生育のヒミツ6 「タマネギの寿命」です。

野菜を含む、「草」に分類される植物は、
種を播き、成長して花を咲かせて種を残すことでその一生を終えるのが一般的です。

種の播種から種の採種まで、だいたいのものが一年で終わります。
こういった植物を一年草といいます。

で、タマネギはというと、種を播いてその年のうちに種は採種できません。
タマネギの一生は一年では終わらず、採種するのは翌年、寿命は二年あるため、
二年草になります。

本州では冬を挟んでタマネギの栽培がされますが、
北海道では春に種を播いて夏以降にタマネギの収穫がなされます。

タマネギは葉が大きくなり、タマネギのりん葉を大きく育てた後、
ふくらみの上部から倒伏して、その上部の葉は枯れていきます。

このとき、タマネギは成長をやめて長い休眠期間に入ります。

ジャガイモなども、条件が整うと休眠に入り、芽を出さずにすごしますが、
タマネギも休眠する作物で、
一度休眠に入ると、芽も根も出さずにそのまま時が過ぎていきます。

休眠に入ったタマネギは、タマネギのりん葉の内部で生長点が分かれていき、
次の年、タマネギそのものを母球として、新たに葉っぱを伸ばしていきます。
通常の葉っぱと同じようにみえるものの、抽苔した葉の先には花芽がつき、
2年目にして初めてタマネギは花を咲かせます。

この花が受粉して、二年がかりでやっと種ができるんですね。

私たちがいただいているタマネギは、生育途中で眠っているタマネギさんを
いただいていることになるんです。

さて、次回は、眠っているタマネギさんを起こさないでおくためのヒミツにせまります。

 
 
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21)
寝た子を起こさないように

今回は、タマネギの生育のヒミツ7 「寝た子を起こさないように」です。

私たちがいただいているタマネギですが、休眠期間にある眠った状態のものであることを前回触れました。

タマネギは長期保存のできる数少ない野菜ですが、
これはタマネギ自身が、「眠っている状態ではエネルギーを消費しないでいられる」
ことに関係があります。

アスパラガスのように収穫後もどんどんと成長しようとする野菜は、
あっという間に自身の蓄えている養分を消費してしまい、
エネルギーを使い切ってしまい、美味しくなくなってしまいます。

ということから、「寝た子を起こしてしまわないこと」が
野菜を保存するうえで大切なことになります。

タマネギを起こさないようにするには、充分な乾燥が必要です。
水分が多いと、タマネギが水を求めて発根してしまうからです。

根が出てしまったタマネギは、貯めこんだ栄養を使って成長しようとするため、
美味しさもなくなりますし、芽も出やすくなります。

さらに、水分が多いと腐ったり傷んだりする原因にもなるため、
水気は避けて保存するのがタマネギさんを寝かせ続けるために
一番大切なことになります。

冷蔵庫などに入れて保存してしまうと、その湿度や、温度差の発生による水滴などで、タマネギには不都合な環境になり、タマネギを起こしてしまうことにもなりかねません。

タマネギは日の当たらない風通しの良い場所で保存するのが一番。
さらにタマネギ同士が触れないようにしておくとさらに良い保存状態になります。

ネット上のものに入れてつるしておくのが一番望ましい状態です。

使い古しのストッキングなどで、タマネギを一つ入れ、次に結び目をつくり、
そして一つ入れて、また結び目をつくり・・・というように
タマネギ同士を触れずにつるしておくことが長持ちの秘訣になるでしょう。


常備野菜として利用されることの多いタマネギさんですが、
快適な眠りの環境を提供してあげることが、
タマネギさんとの良い関係をつくることになると思いますよ。

今回で、タマネギのヒミツは最終回となります。
北海道産のタマネギの収穫時期もおわり、次に本州産の新タマネギに出会えるまで、
しっかりとタマネギさんを眠らせてあげて、
貯めこんだ美味しさをながーく味わってくださいね。

次回からは、新しい野菜さんのヒミツにせまります。

新野菜は・・・「あたらない」野菜です。

 
 
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たまねぎの話
           
 
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