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今回から取り上げるこの野菜は、
江戸時代には、江戸城下町の食料事情を支える優秀な野菜になっていました。
当時の農業書にも真っ先に取り上げられるほどの野菜。
当時から採種や育種も盛んだったようで、年に何作かも行われ、余った時には植えておき、飢饉対策にも栽培されていたようです。
この野菜、栄養価も豊富だったようで、当時の日本人の食生活を支えていました。
さらに、黒船来訪後、外国船が日本に立ち寄った後には船員が競って生でかじっていたという話も残されています。
この野菜食生活を単に支えるだけでなく、薬草としても使用されていました。
一緒に食べると、麺類や魚の不敗毒を消し、食あたりおこなさいとのことから、
「あたらない野菜」として民間療法に使用されていました。
正月明けに弱った体にも、七草がゆとして使われていたこの野菜。
春の七草の中では、「すずしろ」と呼ばれていました。
そう、この野菜、ダイコンさんなんですね。
あたらない野菜であることから、
下手な芝居をする役者のことを、決して当たらない役者、ということで、
大根役者と呼ぶようになったのは、ダイコンさんの優れた薬効によるのです。
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ダイコンは、アブラナ科ダイコン属に分類される野菜で、
原産地は地中海沿岸や中央アジアあたりではないかといわれ、
日本が原産ではないものの、縄文・弥生時代あたりには、
既に日本に導入されていたといわれる、私たちにとっても昔から
なじみ深い野菜になります。
学名は「Raphanus sativus L.」。
カブに由来するラテン語ラファにちなんで名づけられたようです。
中国を経由してラファがルフになり、千六本の語源となった蘿蔔として、
日本に伝わってきました。
ちなみに、春の七草のすずしろを漢字変換すると「蘿蔔」となります。
日本では古来から栽培され、薬用にも使われたり春の七草にも使われたりするダイコン。
次回は、そんなダイコンさんが原産地から日本伝搬する時のヒミツです |
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原産地近辺のヨーロッパでは、はるか昔からダイコンがつくられていたようです。
タマネギのときにもピラミッドがつくられる労働力を支えていたことに触れましたが、
このダイコンもピラミッド作りのパワーに貢献した作物でした。
エジプトの壁画にもダイコンは登場し、労働者たちには配給されていた野菜だったようです。
そのころは野菜として食すというよりも薬草としても重要な役割だったようで、
ダイコンの効能はそのころからよく知られていたようですね。
古代ギリシアやローマ時代にも貴重な薬草として栽培され、
アポロ神殿には金の容器に入れられて奉納されていたようです。
その後ゲルマン帝国時代にはダイコンの栽培が義務付けられるなどして、
ヨーロッパでも15〜16世紀になると、ダイコンはヨーロッパじゅうに広がるようになりました。
ヨーロッパへの広がりとは別に、紀元前にはシルクロードと同様の道筋を通って、
中国までやってきました。
ここで、華北、華南、南方系など、ダイコンはさまざまに分化し、
そのうち華南大根を中心に日本に伝来することになったようです。
日本に伝わったダイコンも、その地方地方でさまざまに分化し、
すっかりと地方野菜として浸透するようになりました。
同じダイコンの種でも、山一つ越えると同じ味のものができないなど、
すっかりと日本のそれぞれの地域で育ったダイコン。
次回は、そんないろんな種類のダイコンのヒミツにせまってみましょう。 |
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日本まで伝わってきたダイコンが、記録として書物にあらわれるのは、
日本書紀の仁徳天皇の歌の中で
「山背女の 木鍬持ち 打ちし於朋泥 さわさわに 汝か言へこそ・・・」とあるのが
初めてだと言われています。
この歌の中で「於朋泥」が「おほね」と呼び、ダイコンのことを指したいました。
この「おほね」が、おおね、大根(おおね)、大根(ダイコン)となってきたのです。
その後、日本でも飢饉から身を救う作物として、
ダイコンは各地で栽培がおこなわれてきました。
アブラナ科のダイコンは交雑も容易で、あっという間にその地域ごとに
いろんなダイコンが育っていくことになります。
江戸時代には、100万都市江戸の近郊で、練馬大根に代表される江戸ダイコンが人気となりましたが、それらがまた地方に伝わり、さらに別の品種ができ、といろんな
品種が広まりつつも、山に囲まれた地域では、その地区だけの特別なダイコンが育ったりもしていきます。
ダイコン自体も、いろんな進化を遂げ、
その地域ごとのご当地ダイコンができていきました。
ある地域での辛み大根なんかは、その地区でつくると辛いのに、
違う土地でつくると全く違った味のダイコンになってみたりと、
ダイコンはその地域ごとで特異的な進化を遂げることになります。
結果、日本中ではいろんなダイコンが栽培されるようになり、
世界一大きくて重い桜島大根、
世界一長い守口ダイコン、
カブのように見える京野菜の聖護院ダイコン
そして今回の画像にあるのは、ふろふきに向く加賀野菜・源助ダイコン
などなど、いろんな特徴をもったダイコンがそれぞれの地域に育っていったんですね。
あなたも自分の住むまちにだけ伝わる特別なダイコンさん、ぜひ探してみてくださいね。 |
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さて、「世界一のダイコンのヒミツ」にせまりましょう。
前回、世界一大きくて重いダイコンと世界一長いダイコンを紹介しました。
まず、世界一重いのが桜島大根。
世界記録はギネス記録として、2003年に「31.1kg」の重さが登録されています。
桜島独特の火山灰土壌と温暖な気候が、大きなダイコンをはぐくんでくれるのでしょうね。
2000年からは、桜島大根の地元で、世界一桜島大根コンテストが行われていますので、毎年、世界記録を狙った大きな桜島大根が集まっているようです。
そして世界一長いのが守口大根。
大阪府の守口市が河内国守口と呼ばれていたころ、特産の宮前大根でつくった漬物を
豊臣秀吉が守口漬と名付けたために守口大根の名がついたとも言われています。
通常のダイコンの生育日数60日に比べ90日くらい生育に要することから、
原産地での栽培は減ってしまいました。
2007年年8月29日に大阪府の「なにわの伝統野菜」に認証されましが、
現在の主産地は、愛知県扶桑町。
木曽川の形成した肥沃な砂質の土壌が、根が長く伸びる守口大根に向いていたようで、1951年から栽培がはじまったようです。
最長ダイコンの記録は、1983年の守口大根長さコンクールでの「183cm」。
もうすぐオリンピックですが、
野菜の世界のオリンピックがあれば、ダイコンは日本が金メダルラッシュですね。
次回はダイコンと緑黄色野菜のヒミツにせまります。(今回の画像はダイコンの種とさやです)
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今回は、大根と緑黄色野菜のヒミツにせまります。
さて、今回のお題ですが、
大根は、緑黄色野菜でしょうか?それとも淡色野菜でしょうか?
緑黄色野菜とは、野菜の色で区別されているわけではなく、
「可食部100g中にカロテンを600マイクログラム(μg)以上含んでいる野菜」
と、厚生労働省により決められています。
よって、緑色の野菜でもキュウリはその定義に当てはまらないため淡色野菜になるんですね。
(例外として、カロテンの含有量が600マイクログラム以下でも、1回に食べる量や使用回数が多いものは、
緑黄色野菜に含められたりします。トマトやピーマンなどがこの類ですね。)
さて、そこでダイコンは・・・となるのですが、
みなさんどちらかご存知ですか?
その答えは、「緑黄色野菜でもあり、淡色野菜でもある」というのがダイコンなんです。
というのも、食べる部分によりどちらかが決まってくるんですね。
一般的に大根として売られているものは、色も白くまさに淡色野菜。
当然カロテン含有量もほとんど見られません。
ただし、このダイコン、葉っぱの部分にはとても多くのカロテンが含まれており、
葉っぱだけをみると緑黄色野菜に分類されるんです。
一般的には食べることのできないこの葉っぱ。
とても栄養価が高いのです。
畑から収穫後すぐだったりして、葉付きの大根を見かけたら、
葉っぱ自体も緑黄色野菜として食べてみてくださいね。
とっても栄養があるんですよ。
さて、次回は、葉っぱ以外の部分についてそのヒミツにせまります。 |
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今回は、「大根と食べている場所のヒミツ」です。
前回は葉っぱが緑黄色野菜ということに触れましたが、
一般的に食べている部分は、植物のどの部分かご存知でしょうか?
ダイコンは「大きな根」と書きますが、実は、根だけを食べているのではないのです。
ダイコンの白い大きな部分が根っこだとして、その上に葉がついているとすると、
ダイコンの茎の部分はどこにあるのでしょうか?
根から直接葉が出ているようにも見えますが、
皆さんがみているダイコンの中に、実は茎の部分があったりするのです。
実は白い大きな根だと思っている部分、茎と根が一緒になっているんですね。
正確には、胚軸(はいじく)という茎の組織からなっている部分と、根の部分から、大きな白いダイコンになっているのです。
その茎の部分と根の部分の見分け方は、育っているときには簡単に見分けがつきます。
地上部にある部分が、茎(胚軸)、地面の中にある部分が根になります。
青首大根など、地上に出ている青い部分が茎の部分になります。
また売っているダイコンを良く見ると、途中から小さいへこみが一列に並んでいるところがあるかと思います。
このへこみ、大根としての大きな直根から分かれた、小さな根が出ている場所なんです。
この根が出てくる部分が根っこの部分、そのへこみがあるところよりも下が根になります。
茎(胚軸)の部分にはこのへこみがありません。
今度、大根を一本手に取ってみたら、どこから下が根の部分か確認してみてくださいね。
次回はダイコンと似た野菜のヒミツにせまります。 |
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今回は、「ダイコンとカブの違いのヒミツ」にせまります。
良く似た野菜のダイコンとカブ。みなさんは、その違いをご存知ですか?
丸くなるのがカブ、細長くなるのがダイコン・・・と、一般的な見栄えで区別できそうな気もしますが、
ハツカダイコンや桜島大根は丸い形状になりますし、日野菜カブは細長かったりします。
京野菜の聖護院大根と聖護院かぶは、どちらも丸くて良く似ていたりもします。
ダイコンもカブも同じアブラナ科の野菜ですが、属はそれぞれ異なります。
これらは花が咲くと、ダイコンは白や薄紫色でカブは黄色だったりと区別もつきやすいのですが、
実際の大きな違いは、そもそも食べている部分が微妙に違うところにあるのです。
前回、ダイコンは根+胚軸(茎)を食べることに触れましたが、カブは胚軸(茎)の部分だけが太ってできているのです。
ダイコンは根と胚軸からなりそのほとんどが根の部分を食べますがカブは茎の部分だけを食べるのです。
前回も触れたように、根の部分にはへこみがあって、ひげ根や根っこの痕跡があるのですが、茎の部分にはそれらはなく、表面がつるつるとしています。
良く似た形のダイコンとカブが混ざってしまったら、
表面がつるつるのものばかりであれば、カブ。
へこみのあるものが一列につながっていればダイコン
・・・と、区別できるんですね。
野菜売り場で、ダイコンとカブが並んでいたら、その表面を比べてみませんか?
(ちなみに、今回の画像はカブでした。)
さて、次回は、これもよく似た形のダイコンとニンジンの違いのヒミツにせまります。 |
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今回は、ダイコンとニンジンの違いのヒミツにせまります。
同じように地中にできる部分を食べる、ダイコンとニンジン。
今回のその太り方の違いのヒミツにせまります。
ダイコンもニンジンも大きな根が太くなり、その太った直根の部分を主に食べています。
栄養を根に貯めることから大きくなるのです。
水分を吸ったり栄養を吸ったりするには、まっすぐ伸びる根(=直根)ではなく、ひげ根(側根)の部分が
必要になりますが、ダイコンは、そのひげ根が2列に並んでいるのに対し、ニンジンは4方向に
並んでいます。
そして、そのひげ根がつながっている様子が、それぞれを輪切りにしたときに、違いがさらに見えてきます。
ニンジンを輪切りにすると同心円状の木の年輪のようなものが見えますが、
この輪の部分が形成層と呼ばれ、根で吸い上げた水を通す管(導管)が通っています。
ひげ根の部分はこの形成層につながっている様子が見えたりもします。
対してダイコンを輪切りにしても、この形成層の輪はニンジンほどはっきりしていません。
ダイコンはその形成層は皮のごくそばにあるため、輪切りにしてもわかりにくいんですね。
この両者の違いは、根の太り方の差によるものです。
外側が太るニンジンに対して、ダイコンは内側からどんどんと太っていくのです。
さて、次回は、内側から膨らんでいくためのヒミツにせまります。
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今回は、脱皮するダイコンのヒミツにせまります。
さて、前回、ダイコンが内側からどんどんと膨らんで成長することに触れました。
ダイコンを育てると
葉が3〜4枚の頃に、胚軸の皮に裂け目ができて脱皮します。
最初の根は太れなくても、脱皮後はどんどんと成長できるようになります。
最初にできる初生皮層が裂開し、その裂け目ができたことを合図に根が急激に膨らんでいきます。
まるでダイコンの葉を食べる青虫と同じように、脱皮をしてから大きくなっていくダイコン。
大きくなるときにひと皮向けていくのは、私たちだけではないんですね。
私たちもダイコンのように大きく成長して、中味をしっかりと充実させていきたいですね。
次回からは、ダイコンの充実した中味のヒミツにせまります。 |
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今回から、ダイコンの充実した中味のヒミツとして、
栄養と薬効に触れてみます。
ダイコンとしての一番の特徴は、天然の消化酵素を持つことです。
アミラーゼの一種であるジアスターゼというデンプン分解酵素を含んでいるこから
ダイコンは消化酵素の塊でもあり、「あたらない」野菜として良く知られることになりました。
ちなみに、このジアスターゼは熱に弱いため、効率よく摂取するためには、生で食べる必要があります。
ダイコンおろしなどで生食することが一番その効果を期待できるんです。
さらにこのジアスターゼ。
ダイコンの部位によっても期待される効果が変わってきます。
辛みの少ない頭の部分よりも、辛みの強いしっぽの部分の方が30%ほどジアスターゼの含量も多いため、消化酵素に期待してダイコンおろしを食べる場合には、しっぽの部分を食べてみるとよいかもしれません。
蕎麦の薬味に使ったり、ダイコン餅(焼餅をダイコンおろしで食べる)で食べる方法は
このダイコンの消化酵素の働きに期待した、理にかなった食べ方だったんですね。
「あたらない」野菜、ダイコン。
その消化酵素の力に助けられて、私たちのお腹は守られているのかもしれません。
次回も、ダイコンの栄養と薬効のヒミツにせまります。
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ダイコンおろしで食べたときに感じる辛み。これがダイコンに含まれる栄養成分です。
アブラナ科の野菜には辛みと甘みが結びついた「カラシ油配糖体」というものがあり、
「グルコシノレート」という成分が含まれています。
ダイコンに含まれているグルコシノレートの代表が「シニグリン」。
このシニグリンが、ダイコンをすりおろすことによって細胞破壊することにより、
ダイコン中の酵素「ミロシナーゼ」によって分解されます。
シニグリンが分解されて出来上がるのが、イソチオシアネート類の「アリルイソチオシアネート」です。
シニグリンそのものは辛みは無いのですが、
アリルイソチオシアネートになって初めて辛みが発生します。
生のダイコンをかじってもそんなに辛くないのに、ダイコンおろしで辛くなるのは、ミロシナーゼのはたらきがあるからなんです。
タマネギも、外敵にかじられるなどで傷がついたときに、身を守るために「アリイン」が「アリシン」になりましたが、
ダイコンも同じように、傷がついて初めて刺激成分が出来上がるんですね。
もちろん、身を守るためにある成分なので、
シニグリンなどのグルコシノレートは、これから成長する若いダイコンに多く含まれ、
大きくなってからも、根が成長する先端部分に多く含まれます。
ダイコンのしっぽの部分が頭よりも辛いのは、
ダイコンが成長するために自分の身体を守っているからなんですね。
これらの辛み成分、解毒作用の強化や抗ガン作用が期待されたりする
とてもステキな成分なのですが、自然界にとっては攻撃性のある毒でもあります。
この毒を薬効成分や嗜好物として克服したのは、
青虫と私たち人間だけのようですよ。
ダイコンおろしの辛みを感じながら、その薬効をありがたく味わいましょう。
?
次回も、ダイコンの栄養と薬効のヒミツにせまります。
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前回、ダイコンの辛み成分について触れましたが、
ダイコンの辛み成分にはまだ別の成分も含まれています。
硫黄化合物の「メチルメルカプタン」。
このメチルメルカプタンには血栓防止作用や解毒作用があり、
ガン予防の効果も期待されています。
この成分、たくわんや、切り干し大根などで感じる、においの成分でもあります。
ダイコンを食べたときに期待できる健康成分ではあるのですが、
実はこの成分「メチルメルカプタン」は、悪臭防止法によって規制されている物質のひとつで、
大気汚染防止法の特定物質でもあるのです。
メチルメルカプタンだらけの中で暮らすことはできないですが、
ダイコンに含まれる成分として摂取する場合は薬効が期待できます。
においのもとも、健康成分だと思うと少しありがたみが出てきますよね。
次回も、ダイコンの栄養と薬効のヒミツにせまります。
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ダイコンおろしとして食べると辛みがあるのに、
加熱して食べると甘みを感じるダイコン。
この甘さも、ダイコン特有の成分のおかげだったりします。
辛み成分のところで出てきた、カラシ油配糖体・グルコシノレート。
解毒機能を強化し、体外排出を行うことが期待されるこの物質。
「配糖体」という名の通り、糖を含んでつくられている物質です。
ダイコン自体を「煮る、焼く、揚げる」などして加熱した場合、
このグルコシノレートが分解されて糖分のグルコースができるのですが、
これにより、甘みを感じるようになるのです。
おでんのダイコン、ふろふき大根、ダイコンステーキ、ダイコンフライなど、
加熱料理のダイコンが甘いのは、もともとは辛みの成分だったものが
甘みに変わったためなんですよね。
辛みの効いたトークも恋愛でオネツのときには甘いトークに変わるように、
ダイコンの辛み成分も、熱を通すことによって甘みにかわるんですね。
ダイコンの栄養と薬効のヒミツは次回も続きます。 |
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ちょっと前の「大根と緑黄色野菜のヒミツ」で、
ダイコン自体が淡色野菜であるものの、
葉は緑黄色野菜であることに触れました。
このダイコンの葉っぱ。
緑黄色野菜であるためのカロテン含有量が多いだけではなく、
他の栄養素も多く含まれている、ビタミンやミネラルの宝庫だったりするんです。
ビタミンCは、根部よりも5倍ほど多く葉の方に含まれており、
カルシウム分も、葉の方が豊富だったりするんです。
葉も根元に近い方が栄養価が高いんですね。
春先のこの時期、葉物野菜が少なくなったりする上に、今年は天候不順から葉物野菜が高騰しており、
まだひと月以上、葉物野菜の高値が続くようです。
そんなときは、ダイコンの上部を水に浸して水耕栽培してみませんか?
ダイコン自体の上部の栄養を元に、葉がどんどんと出てきますよ。
一生懸命日光を浴びることによって
ダイコン自体に存在しない栄養素もしっかりとつくられていきます。
ちょっとしたキッチンガーデンが、あなたに栄養分を運んでくれるかもしれません。
次回もダイコンの栄養と薬効のヒミツにせまります。 |
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ダイコンに含まれる栄養や薬効についていろいろと触れてきました。
科学がここまで発達して分析が行える以前から、
私たちはダイコンの効能を利用してきた歴史があります。
「あたらない野菜」として、ダイコンの持つ消化酵素の力が
特に良く知られていますが、その他にもこんな民間療法がおこなわれてきたんです。
<咳や喉の痛み>
ダイコン飴をつくったり、おろし汁を喉にぬったりして、
のどの痛みを和らげたり、去痰作用を期待したりと、使われてきました。
私も小さい頃には、ダイコン飴を味わった記憶がありますよ。
<冷え症や神経痛>
干したダイコンの葉をお風呂に入れて、ダイコン湯として
身体の血行を良くしてきたようです。
日本人はお風呂が大好きなので、柑橘類なども含めて、
いろいろな日替わり湯を楽しんできたことでしょう。
今回で栄養と薬効の話はおしまいですが、
ダイコンの中にはまだまだ、私たちの知らないパワーが秘められていそうですね。?
次回は、ダイコンと伝承のヒミツにせまります。
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私の住む北海道から考えると、ちょっと時期がずれることもありピンとこないのですが、
旧暦の10月10日は、ダイコンが太り始めるダイコンの年取り日
と言われています。
このダイコンの年取り日にダイコン畑に踏み入ると
たたりがおこるとも言われています。
この言い伝えは、ダイコンが太り始めるこの時期に畑に入って土を踏み固めてしまうと
良いダイコンができないということからできたお話かもしれません。
ダイコンが年をとるという言い回しでが伝承になったのは、
その時期のダイコンをそっとしておいてあげることが収穫に大事だということが
長年の経験から得られていたんでしょうね。
その他、ダイコンにまつわる伝承としては、
各地で大黒様にまつわる民話がみられます。
そして、ダイコンの神様としての大黒様に、栽培して二股になってしまった
ダイコンをお供えする風習が残されているんですね。
二股のダイコンは女性にも見立てられることから、
各地で、子孫繁栄、夫婦和合、家内安全、善事成就などを願って、
ダイコンがお供え物として使われていたようです。
前回までに触れたダイコンの持つ薬効のパワーや、
ダイコンが飢饉を救ってきた救済作物だったことなどから、
その感謝の気持ちを表すことと七福神の大黒様のはたらきとが重なり、
各地で民話や信仰が生まれてきたのかもしれません。
これもダイコンの持ついろんなパワーのなせる業なのでしょう。
あなたも、今日からダイコンを祀って過ごしてみませんか。
思わぬご利益が訪れるかもしれませんよ。
次回は、ダイコンの加工品のヒミツにせまります。
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みなさん、ダイコンをそのまま買われることが多いでしょうが、
加工品として入手されることも多くなってませんか。
加工品として一番目にするのは、刺身などに使われるツマではないでしょうか?
このツマ、主となるお刺身のそばに置かれることから、
夫婦の関係に見立てられて「妻(つま)」を語源とする説や、
料理の端に置かれることから「端(つま)」に由来する説があります。
私は前者であってほしいな、と思います。
きれいにつくられたツマだと美人妻。
実際にその「美人妻」の名称でツマを生産されている企業もあるんですよ。
その他の加工品としては、切り干し大根。
我が家でもつくるより購入することが多いのですが
天候に恵まれれば、自分でつくってみても面白いですよ。
もともとダイコンを貯蔵するためにつくられ始められたのですが、
ダイコンの生産の多かった愛知県あたりで250年ほど前につくられ始められたようです。
皆さんはダイコンの加工品として何をよく食べますか?
次回も加工品のヒミツが続きます。 |
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今回も加工品のヒミツです。
さて、ダイコンの加工品として日本に古くからあったのは、
タクアンではないでしょうか。
平安時代からあった「たくわえづけ」がなまって、タクアンになったとの説もありますが、
一般的には、江戸の北品川にある東海寺の沢庵禅師が1645年ごろに始めたため、
沢庵漬けとしてタクアンとなったと伝えられています。
沢庵漬けは米の精白の際に出る米ぬかと塩でダイコンを漬けたもので、
当時は、上層階級で食されるか、非常用の食品だったようです。
その後、米糠が庶民のものになったあたりに、
ちょうど練馬大根の産地でヒット商品となりました。
沢庵漬けは一時は輸出されるほどの売れ行きを示したそうです。
白米を食べ始めた日本人が江戸わずらいとして脚気にもなっていた江戸時代。
白米に含まれずに米糠に含まれるビタミンB1を、沢庵漬けがその栄養を補ってくれたところから、日本人には欠かせない食品となっていたようです。
そして、このタクアンをさらに進化させたのが「いぶりがっこ」ではないでしょうか。
昔の東北地方で、囲炉裏のそばにつるしてあったダイコンが自然に燻され、
そのダイコンをたくあんにしたところ、とても美味しかったところから、
ダイコン燻製の漬物が出来上がりました。
燻製効果により、より保存にも向くようになり、
冬の間の貴重な保存食としていぶりがっこが食されてきたんですね。
(画像は市川燻製屋本舗さんのいぶりがっこです)
さて、次回はダイコンそのままの保存方法のヒミツにせまります。 |
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収穫後、もしくは購入後のダイコン。皆さんはどのように保存されていますか?
今回はダイコンの保存方法のヒミツです。
ダイコンの保存に適した温度は5℃前後、湿度は90%以上です。
この条件を満たすためには、一般的に販売されている洗ったダイコンであれば、
ビニール袋や新聞でくるんだ状態で冷蔵庫で保存するのが一番です。
なお、このとき、葉がついていると、成長や呼吸にダイコンの栄養が使われてしまうため、
葉は切り落として保存してください。
(葉を利用する場合は葉を別にして保存します。
葉は葉で緑黄色野菜なので有効に利用してくださいね。)
洗う前のダイコンであれば、土つきのそのままのものを、土の中に埋めておくと、一カ月以上保存できたりもします。
この特徴を生かして、北海道で行われているのが、雪の下ダイコンです。
冬の寒い時期に雪の下から掘り出したダイコンは、野菜の少ない冬場でもみずみずしい野菜の感触を私たちにもたらしてくれることになります。
次のシーズン、ぜひ北海道の雪の下ダイコン、探して食べてみてくださいね。
さて、いよいよ次回はダイコンの最終回です。
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みなさんはダイコンの色って何色をイメージしますか?
ダイコンといえば「白」を想像するのではないでしょうか?
ところが、これが世界の人々からみると、
ダイコンが白いというイメージが一変するかもしれません。
中央アジアやヨーロッパ南部に分布するダイコンには、中は白くとも、
表面の皮が黒い「黒ダイコン」なんかもあります。
最近では、紅芯ダイコンなど、ちょっぴりきれいに発色するものもありますよね。
みんなに個性があるようにダイコンにもいろんな種類が見られます。
また以前に触れたように、日本各地には地域にだけ伝わるダイコンもあります。
日本の各地や世界を旅するとき、その土地土地に伝わる伝統食材としての
ダイコンも探してみると新たな発見があるかもしれませんね。
地域それぞれに伝わるいろんなダイコンから、それぞれのいろいろな薬効を
いただいて、私たちはずっと健康な生活を送りたいですね。
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